六甲山の山頂付近に、「六甲枝垂れ(しだれ)」という一風変わったドームがあります。「幹を枝葉が囲む大樹」をイメージしているというこの建物は、老朽化したかつての「十国展望台」(1957年開業)のあとを継ぎ、著名な設計者・三分一 博氏による監修の下、2010年にリニューアルされた展望台です。
中心にある煙突状の太い柱(幹)から枝・葉に見立てた六角形の多数のフレームが葉脈のように広がり、360度取り囲むようになっています。また、幹の周りにあるスロープによって、全方位的に景色を展望できるようになっているほか、全てヒノキで出来ているため、内部は樹木のやさしい香りに満ちています。
六甲山
「六甲山」とは単一の山ではなく、阪神地区の主要都市(神戸市、芦屋市、西宮市、宝塚市)をまたいで存在する大小の山々(六甲山系)の総称です。最高峰(神戸市灘区)の標高は931mで、山上付近には六甲ガーデンテラスなどの商業施設があり、ロープウェイやバスなど交通網も充実しています。
また、武庫川・加古川など付近を流れる河川の水源であり、伏流水(地下水)も含めて山域全体の水量は豊富なことから、「六甲のおいしい水」などの飲用水や阪神地区における酒造産業の礎となっています。
さらに、地理的に市街地に近いものの、その気候は青森県に似て、夏(気温:23℃)は涼しく冬(-3℃)はかなり寒くなります。山麓の水は冬季に氷となり、空調の無かった時代には夏の暑さをしのぐものとして、神戸で売られていたようです。
六甲枝垂れと春夏秋冬
設計者の三分一氏は、「自然と建築物の共存」をテーマとした建築物で有名な建築家で、六甲枝垂れもこうした思想をベースに設計されています。具体的には、大樹を模したそのデザインや六甲山の季節の移ろいを見て楽しめる展望スペースだけでなく、太陽光を吸収して暖を取る「陽室」、冬季の氷と風の力で涼感を得る「風室」など、季節ごとに空調無しで快適に過ごせる仕掛けを盛り込んでいます。
イルミネーション
夜間には、ヒノキの枝葉フレームに地面からLEDをあて、ドーム全体を幻想的な光の空間に変化させるイルミネーションを実施しています。今年は、四季それぞれにテーマを設け、春にはピンク等花の色、夏は涼やかな青や緑、秋は紅葉の赤、冬は白を基調とした六甲颪や雪のイメージと、季節ごとにカラーを変えてライトアップしています。
お子様連れもカップルも
ドームに入るには400円/人の入場料が必要ですが、同日中であれば入退場が自由にできます。定期的にスタッフがドームの解説をしてくれるほか、ドーム外には六甲ガーデンテラスのレストランやショップもあるので、家族で楽しむことができます。
夜は、イルミネーションと神戸市の夜景を一望できるロケーションのおかげで、カップルのデートにも最適です。
ただし独身・恋人なしの方が夜に訪れますと、目の前の
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