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8月, 2017の投稿を表示しています

大覚寺(京都市右京区)

大覚寺は、京都市右京区嵯峨にある真言宗の寺院で、不動明王を含む「五大明王」を本尊としています。もともとは、平安時代初期の第52代 嵯峨天皇が建設した離宮でしたが、その後の紆余曲折を経て寺院となった経緯から、正式には「旧嵯峨御所 大本山 大覚寺」と称しています。 旧御所であり、また明治時代まで度々皇族が住職(門跡)を務めていたこともあって、その雰囲気は京都御所に似ており、往年の宮廷文化を至る所で感じ取ることが出来ます。また、いけばな発祥の地としても知られ、現在も「いけばな嵯峨御流」の家元として活動している寺院でもあります。 しかし、嵯峨天皇の時代から、大覚寺の誕生、そして南北朝時代までの流れをたどると、そうした雅な空気とは裏腹に、皇位を巡る政争の歴史が浮かび上がってきます。激しい歴史と宮廷文化ー大覚寺は、そうしたコントラストの上に存在する史跡でもあるのです。 大覚寺の初祖、恒貞親王 恒貞親王は、嵯峨天皇のあとを継いだ第53代 淳和天皇の次男です。長男が若年で死去していたので、皇太子候補として目されていましたが、息子が政争の道具となる事を危惧した淳和天皇は、代わりに嵯峨上皇(上皇=引退した天皇)の息子を皇太子としました。ところが、この皇太子が天皇に即位すると、強引に恒貞親王が次の皇太子として担ぎ出されてしまいます。 嵯峨上皇の死去後、父・淳和天皇が恐れていた通り、恒貞親王は政変に巻き込まれ追放されます。追放後、親王は出家して「法親王」となり、名を「恒寂」に改めました。 一方、残された嵯峨離宮については、同じく出家した母・正子内親王が寺院に改装し、恒寂法親王を初代住職に立てました。こうして、今日まで続く大覚寺が誕生しました。 大覚寺の再興 その後、大覚寺は衰退の一途を辿り、歴史の中に埋もれた存在となっていきます。そして、初代・恒寂法親王から経ること約500年、1308年(鎌倉時代)に、出家して「法皇」となった第91代 後宇多天皇が伽藍を整備し、自らの政治を取り仕切る「嵯峨御所」として再興したことで、大覚寺は再び歴史の表舞台にたつこととなります。 南北朝の対立 500年経っても、朝廷の中は相変わらずでした。当時は、第89代 後深草天皇(兄)と第90代 亀山天皇(弟)による兄弟の対立を発端として、後深草グループ(持明院統)と亀

Shirayama Hime Jinja Shrine(白山比咩神社)

  Shirayama Hime Jinja Shrine(白山比咩神社)is a Japanese shinto shrine located in Hakusan-City, Ishikawa, Japan. It is a headquarter of the whole Shirayama or Hakusan shines under the faith that Mr. Hakusan is a place of divinity. (The same for the word "白山" but two ways of pronunciation; " Hakusan " in Chinese reading and " Shirayama " in Japanese reading. It's chosen based on origins of each shrine.) According to the shrine's chronicle, it's been more than 2,100 years old, and its name appears in an official shrine list ( Engi-shi Jimmei-cho :延喜式神名帳)edited by the imperial court in 927 AD (so, it has at least 1,090-year history for its service.) The shrine's main deity is Kikuri-hime (菊理媛), a female divinity who is said to have strength to conclude things or arbitrate disputes, based on a myth that the deity arbitrated a quarrel between Izanagi and Izanami, the divine couple who gave birth to lands of Japan. (For this divine couple,

白山比咩神社(石川県白山市)

石川県白山市にある白山比咩神社(しらやまひめじんじゃ)は、霊峰・白山(はくさん)を御神体とする白山信仰の中心地であり、全国に2,716社ある白山神社の総本宮とされています。創建は2,100年以上前とされ、延喜式神名帳(平安時代の神社リスト)にその名が記載されています。一般的には、「加賀国一ノ宮」「白山本宮」などの名称で知られ、地元の人々からは親しみをこめて「白山さん」と呼ばれています。 主祭神は、和合・調停の神徳を持つキクリヒメ(白山比咩大神)で、平野部の「本宮」、白山頂点の御前峰(ごぜんがみね)にある「奥宮」の2つの社殿で祀られています。また、下述する神話に基づき、国土創造の夫婦神(イザナギ、イザナミ)を配祀しています。 山岳信仰 古代の人々にとって、山は狩猟や植物の栽培・採取の場、或いは水源として恵みをもたらす一方、噴火等天災によって生命を脅かす存在でもありました。人々は、このような性格を持つ山々に対して「恩顧(感謝)」と「畏怖」の念を抱き、神聖視するようになります。こうした信仰形態を、神道では「山岳信仰」と呼びます。 当初は、単純に山や丘を崇拝する形態でしたが、次第に富士山、三輪山といった特定の山(神体山)に対する信仰へと変化していきます。そして、大和朝廷が台頭し、記紀の編纂によって神話が確立したことで、これらの神体山が「オオヤマツミ(大山積)」、「オオヤマクイ(大山咋)」といった、一種の人格を持つ神が鎮座する場所とされていきます。 また、仏教が伝来した奈良時代以降、仏教の山中修行と神道の山岳信仰がミックスされた「修験道」という新しい信仰が生まれ、多くの修験者(山伏)たちが修行・信仰のため、従来は立入禁止であった神体山の中へ足を踏み入れるようになっていきます。 白山と神仏習合 白山は、石川、福井、富山、岐阜の4県にまたがる、標高2,702mの山です。ほぼ一年を通じて雪をいただくその姿は、北越各地域、また日本海の洋上からものぞむことが出来ます。古くより、平野部の人には農業に必要な水の神、海で働く人には航海中の自船や漁場の位置を示す道しるべの神として崇拝され、同時に亡くなった人の御霊が鎮まる聖域とも信じられていました。 白山 (※) ※Retrieved on 2017/8/21 from Wikipedia;  At

Rokko Shidare Observatory

Rokko Shidare Observatory is located on the top of Mt. Rokko, a massif ranging across major cities in Hanshin District (Kobe, Nishinomiya, Ashiya and Takaraduka) in Japan. Upon deterioration of the former observatory which had been in use since 1957, this dorm was renovated in 2010 by Mr. Hiroshi Sambuichi, an architect having a theme to put buildings in nature as parts of the planet. The observatory was designed like a giant tree with its trunk having branches and leaves. A pillar (trunk)  is at its center and numerous hexagonal frames (Branches and leaves) are spreading out of the pillar like leaf veins;weeping form ("shidare" in Japanese). All of the items are made of cypress, so its aroma is filled inside. (like forest bathing) There is a slope around the pillar so that visitors enjoy 360°panorama view i.e seasonal views of the mountain, night view of Kobe and its harbor, all of which is decorated with lights. (a million-dollar night view ??) On top of th

六甲枝垂れ

六甲山の山頂付近に、「六甲枝垂れ(しだれ)」という一風変わったドームがあります。「幹を枝葉が囲む大樹」をイメージしているというこの建物は、老朽化したかつての「十国展望台」(1957年開業)のあとを継ぎ、著名な設計者・三分一 博氏による監修の下、2010年にリニューアルされた展望台です。 中心にある煙突状の太い柱(幹)から枝・葉に見立てた六角形の多数のフレームが葉脈のように広がり、360度取り囲むようになっています。また、幹の周りにあるスロープによって、全方位的に景色を展望できるようになっているほか、全てヒノキで出来ているため、内部は樹木のやさしい香りに満ちています。 六甲山 「六甲山」とは単一の山ではなく、阪神地区の主要都市(神戸市、芦屋市、西宮市、宝塚市)をまたいで存在する大小の山々(六甲山系)の総称です。最高峰(神戸市灘区)の標高は931mで、山上付近には六甲ガーデンテラスなどの商業施設があり、ロープウェイやバスなど交通網も充実しています。 また、武庫川・加古川など付近を流れる河川の水源であり、伏流水(地下水)も含めて山域全体の水量は豊富なことから、「六甲のおいしい水」などの飲用水や阪神地区における酒造産業の礎となっています。 さらに、地理的に市街地に近いものの、その気候は青森県に似て、夏(気温:23℃)は涼しく冬(-3℃)はかなり寒くなります。山麓の水は冬季に氷となり、空調の無かった時代には夏の暑さをしのぐものとして、神戸で売られていたようです。 六甲枝垂れと春夏秋冬 設計者の三分一氏は、「自然と建築物の共存」をテーマとした建築物で有名な建築家で、六甲枝垂れもこうした思想をベースに設計されています。具体的には、大樹を模したそのデザインや六甲山の季節の移ろいを見て楽しめる展望スペースだけでなく、太陽光を吸収して暖を取る「陽室」、冬季の氷と風の力で涼感を得る「風室」など、季節ごとに空調無しで快適に過ごせる仕掛けを盛り込んでいます。 イルミネーション 夜間には、ヒノキの枝葉フレームに地面からLEDをあて、ドーム全体を幻想的な光の空間に変化させるイルミネーションを実施しています。今年は、四季それぞれにテーマを設け、春にはピンク等花の色、夏は涼やかな青や緑、秋は紅葉の赤、冬は白を基調とした六甲颪や雪のイメージと、季節ごとにカラ

Obon festival-Traditional period to pray for ancestors

Every year in mid August, Japan has traditional period called Obon ., in which families living separately get together at home and often visit the family's tomb to pray for ancestors. In most cases, people have Buddhist monks/priests to chant a sutra for the family's ancestors in front of their at-home Buddhist alter and/or tombs outside during the Obon period. Therefore, those practices have been seen as Buddhist events among people in Japan. It is half yes, but half no. It's rather precise to say that the practices are done in Buddhist way, but its core comes from Shintoism-Japan's indigenous religion (to which I often refer in articles of "shrine hunting" in this blog). The point is "thank you, my ancestors!". Buddhism way of Obon In Buddhist dogma, Obon is formally called "ullambana" (Sanskrit: its meaning is "being hung upside down") which can be originated from a story of a monk who try to save his mother suffe

お盆に何をするのか。

今年も、お盆の季節がやって参りました。 お盆といえば、何を思い浮かべますか。帰省、親族での集まり、お墓参り、或いは帰省ラッシュや旅行会社シーズン料金などでしょうか。 お盆休みがある方もいれば、休み無く働いている方もいると思います。 さて、一般的には先祖供養やお墓参りのイメージから、お盆が仏教行事であると広く理解されています。でも、実際は「神道を原料として仏教というスパイスで味付けしたイベント」というのが正解です。 そこで今回は、毎年当たり前にやってきて、何気なく過ごすこの「お盆」について考えてみたいと思います。 仏教的観点:先祖供養 仏教では、お盆のことを正式には 「 盂蘭盆会 」(うらぼんえ)と呼びます。その昔、釈迦の弟子が、地獄で飢餓に苦しむ母を救おうと、釈迦の教えに従い、旧暦7月15日(現在の8月15日頃)に修行僧たちへ食事を振舞った功徳により、無事に母を往生させた説話が由来です。(地獄で逆さ吊りにされている母を救う、という説もあります。) その後、この馳走を毎年同じ時期に継続して功徳を積むことで、先祖は苦しみから解放され、現世の人々が幸せになると釈迦が教えたことが、お盆の起源となっています。 神道的観点:祖霊崇拝 一方、神道にも祖先の御霊(祖霊)を祭る「祖霊崇拝」という信仰があります。 祖霊とは、現世の子孫と家を祝福し、厄災や不幸から守ってくださる「神様」です。皇室の祖霊(皇祖)を祀る伊勢の神宮や、藤原氏の祖霊(氏神)を祀る春日大社などの例や新年の初詣(本来は、祖霊を家にお招きして、新年の平穏無事を授けて頂くことが目的)をみても、祖霊崇拝は神社信仰の原型のひとつとも言えます。 日本では、この信仰に基づいて、毎年2回、夏と冬に祖霊を祀る慣習がありました。今でも神式を通すところもありますが、一般的には仏教の伝来以降、盂蘭盆会の考え方が浸透するに従い、「夏=お盆、冬=初詣(新年祭)」という現在の形態に定着していきます。 先祖供養≠祖霊崇拝 先祖供養と祖霊崇拝は、「似て非なるもの」です。 仏教では、生きている間の善行や修行の有無によって、死後、そして次に転生する際の身分が決まるという考え方(因果応報/輪廻転生)があります。先祖供養はこの考え方をベースに、生前の悪行によって苦しみに苛まれる先祖を救い、

Rosslyn Chapel-Scotland

Rosslyn Capel or Collegiate Chapel of St Matthew is a catholic collegiate church located at the village of Rosslyn, Scotland. It was founded in 1446 AD by William Sinclair, 1st Earl of Caithness, and has been maintained by its decedents until now. This chapel appears in "The Da Vinci Code" as an important venue in its climax. In addition, there was a movie shooting at this chapel for the book's movie adaptation stared by Tom Hanks as Robert Langdon in 2016. Knights Templer and the Holy Grail The book's author, Dan Brown, focused on a legend linking this chapel with Knights Templer for plotting the story's core; the Holy Grail. Knights Templer is a Catholic military order comprised mainly of cavalry monks. It was established in 1119 AD, and then recognized formally by the papal authorization in 1139 AD. The order was headquartered in a place which was believed to be ruins of the Temple of Solomon in Jerusalem-the Holy Land. Its purpose was to protect c

ロスリン礼拝堂

ロスリン礼拝堂は、スコットランドの首都・エジンバラ近郊にあるカトリック系の礼拝堂です。1446年にウィリアム=セント=クレア候によって設立され、現在もその子孫によって管理されています。 2004年の世界的ベストセラー「ダヴィンチ・コード」で重要な舞台として描かれ、2006年の映画版でも撮影に使用されました。 テンプル騎士団と聖杯 「ダヴィンチ・コード」の原作者ダン・ブラウン氏は、そのストーリーを考えるにあたり、この礼拝堂の伝説に注目しました。それは、テンプル騎士団との関係性です。 テンプル騎士団は、中世ヨーロッパで活躍した騎士修道会(修道士による武装集団)です。当時、イスラム勢力との対立が激化し、キリスト教会も十字軍などの戦闘集団を以って、重要拠点を防衛していました。こうした時代の中で、テンプル騎士団は聖地エルサレムに本拠を構えて成立し、主にエルサレムへの巡礼者の保護を担いました。 その後、エルサレム防衛の失敗やフランス王の策略などもあってローマ教皇から「異端」とみなされて弾圧され、テンプル騎士団は壊滅しました。ところが、ローマ教会から距離を置いていたスコットランドでは、弾圧は起きませんでした。 こうして難を逃れたテンプル騎士団のひとりが設立したのが、ロスリン礼拝堂です。 古くより、エルサレムとの深い関係から、テンプル騎士団がキリスト教の秘宝「聖杯」を隠し持っているとの噂は絶えませんでした。ダン・ブラウン氏は、迫害を免れ現在まで血筋の続く元・騎士団メンバーの礼拝堂にそのヒントがあると考え、足しげくロスリン礼拝堂に通いながら「ダヴィンチ・コード」の執筆を始めたといいます。物語の中では、「聖杯」の正体が判明するクライマックスで、この礼拝堂が登場します。 「変な」装飾たち ロスリン礼拝堂の特徴は、礼拝堂の「装飾」にも表れています。外装は一般的なのですが、内部の装飾はまるで訪問者を試すかのように、不思議なデザインのものが多いのです。 特に有名なのが、「グリーン・マン」(ケルト神話に登場する植物の精霊)です。葉や茎、幹など植物の部分を使用して人顔を表すことが特徴の装飾で、欧州各地の史跡で見られます。中でも、ロスリン礼拝堂のグリーンマンは表情が特徴的で、礼拝堂が販売するお土産グッズの中に、グリーンマンのぬいぐるみがあるくらいです。

Munakata Grand shrine (宗像大社)

Munakata Taisha or Munakata Grand Shrine(宗像大社)is located in Munakata city, Fukuoka. It is comprised of three shrines in different places; Okitsu-miya shrine in Okinoshima island, 50km off in the north from mainland of Kyushu, Nakatsu-miya shrine in Oshima island, which is connected by ferry with mainland, and Hetsu-miya shrine in mainland Kyushu. In 2017, Okinoshima island and the shrine including related facilities are enlisted as UNESCO's world heritage. Divine three sisters of Munakata Three female deities (Munakata divine sisters:宗像三女神) are enshrined in each of the three shrine; the first-eldest "Tagori-hime" in Okitsu-miya, the second-eldest "Tagitsu-hime" in Nakatsu-miya and the third-and-youngest "Ichikishima-hime" in Hetsu-miya. In ancient articles including Kojiki (古事記 "Ancient matter"as the first chronicle supervised by the imperial court) and Nihon-shoki(日本書紀 "The first nationally authorized chronicle of Japan), the