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ガースー、トイレで遅刻したってよ。

菅総理が、先日の長崎での原爆記念式典に 1 分遅刻したことで、多方面から批判される事態となっています。 また、その遅刻理由も当初は「事務方の調整ミス」でしたが、実際は「会場到着後にトイレに行ったため」でした。   前日に東京でオリンピック閉会式があり、当日は早朝から長崎へ移動、さらにトイレは自然の摂理であるので、仕方 ないのではという擁護の声もあります。 また、トイレに行かなかったとしても、会場到着が式典開始の 4 分前だったというギリギリのスケジュールを思えば、 事務方の調整ミスもあったのだと推測できます。   とはいえ、 1 分でも遅刻は遅刻。 8 月 6 日の広島での式典で、スピーチの一部をすっ飛ばす失態を犯していただけに、この遅刻が式典の軽視、犠牲者 / 被爆者への不遜と捉えられても、仕方のないことだと思います。 まして、式典中に原爆投下時間 11:02 の黙とうがあることはあらかじめわかっているわけですから、主催者から すれば、少しの遅れも許容できなかったのかもしれません。 また、最初から素直にトイレを理由にするか、事務方のせいにはせず、しっかり経緯を説明しておけば、 受け止め方も違っていたかもしれません。 日頃、菅総理に対して懐疑的にみている私ですが、本件についてはやや同情的です。 というより、そんなことでいちいち批判する人たちに対する、ある種の気持ち悪さを感じます。   何でもかんでも批判すればいいということでもない。 菅総理への批判は、 1 分の遅刻よりももっと大きなことに向けたいですよね。 コロナ対策、オリンピック、外交、経済。 全てにおいて失速気味の政策やリーダーシップの欠如を批判することはあれど、この遅刻に対して執拗に攻撃しても、何も生まれないような気がします。 まぁ、何を言ってもやってもとやかく言われ、信用されない「オオカミ少年」状態に陥っている菅総理自体がそもそも問題なのですけどね。

地の底から

  「 パシフィックリム」というハリウッド映画を見た時のこと。 人間を襲ってくるKAIJU(怪獣)という巨大モンスター、自分たちを守るために開発された巨大ロボットがドンバチやりあう。なぜKAIJUが襲ってくるのかという謎から、ロボットを操縦する人間側のドラマもちりばめられていますが、CGをふんだんに駆使したバトルシーンが見どころであり、怪獣やロボットが好きな方にはたまらない映画です。 さて、この映画を見て斬新だなと思ったことは、 「KAIJUが、地底からやってくる」 という設定です。海底に「異世界とこの世を結ぶトンネル」があり、KAIJUはここを通って地上にあらわれ、毎度人間をせん滅し地球を征服しようと攻撃を仕掛けてくるという設定で、物語ではKAIJUが出現しないよう、このトンネルをどうやって塞ぐかが焦点となっています。   「うみ」 この「地底から何かが這い上がってくる」という考えは、古い神道の考えに通じるところがあります。(「古神道」とは異なるため、「古い神道」と称しています。) この「古い神道」によると、古代の日本人は、太陽が毎日東の水平線から昇り、西の水平線に沈むのをみて、 海の底に常世国(あの世)がある と信じていました。そして、日没によって太陽は一旦死に、常世国で再生されたのち日の出として蘇る。そのような死生観をもっていたようです。 そして、太陽が生まれる場所として海を「 うみ(産み ) 」、そして水平線でつながっている空(天)と海を区別せず、両方とも「太陽が存在する場所」として「 あま 」と呼んでいたと考えられています。   日の出             日の入 ↑空=天(あま)↑      ↑空=天(あま)↑   ↑             ↓   〇=太陽が昇る       〇=太陽が沈む ーーーーーー水平線       ーーーーーー水平線     ↓海(あま)↓        ↓海(あま)↓     常世国             常世国   やがて、大和朝廷による古事記や日本書紀といった国史の編纂を通じて、神々は空である「天」(あま)から地上に降り立ってきたというイメージが定着しました。しかし、古い神道では、神は海(あま)の底から地上にあらわれたという考え方が主流だったようです。科学的にも、すべての生命は海から誕生したとされているため、こちら

痛いのではない、痛みを思い出しただけさ

Gregory Maxwell - From File:Yin yang.png, converted to SVG by Gregory Maxwell., パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=364239による 歌手の宇多田ヒカルさんが、自身のインスタライブで視聴者からの質問に答えていた時のこと。海外ファンから、「なぜ大切な方との関係が終わった時に、心が痛むのか?」という、答えに窮するような質問がありました。宇多田さんはしばらく考えた後に、その質問に対して、このように答えるのです。 「その痛みは、もともと持っていたものじゃないのかな。それで、その人との関係は<痛み止め>みたいなもので、その間痛みを忘れていたというか。だから、関係が終わった時に痛みを思い出したのだと思う。」 (宇多田さんは英語で回答されていたので、内容を意訳しております。) ヒット曲を連発する宇多田さん、その感性に改めて脱帽しています。 宇多田さんがご存じなのかどうかわかりませんが、この考え方は易経にある「陰陽」の考え方に通じるところがあります。万物は、常に陰陽、2つの正反対の側面を持つというものです。 太極図 冒頭の陰陽マーク、ご存知の方も多いのではないでしょうか。 黒は陰、白は陽を現し、一つの円に勾玉のような形で陰陽が描かれています。また、陰陽ともに同じ面積であり、一つのものには、1:1の比率で陰と陽がセットになっているという、易経が最も重視する考えを端的に示した図です。 宇多田さんの例をとると、痛みは陰、大切な方との関係を陽としたときに、陽にいる間、もともとの痛み(陰)を忘れていただけ、という見方ができます。   このマーク、正式には「太陰太極図」と呼ばれています。 大いなる陰が大きく極まった時の図、と解釈できますね。 宇宙や海底、母親の胎内。生命が始まった場所はすべて光の届かない闇。「 陰 陽」であって「陽 陰 」ではないことからも、闇の上に光が存在していることがわかります。闇が極まった時、光が誕生する。この「陽転」とよばれる瞬間を切り取ったのが、太極図なのかもしれません。 光ばかり注目される世の中。 多くの人が、物事の良い面ばかりを追いかけていきます。 でも、「光があるから闇」ではなく、闇の中にいるから光

孤独。違う、それは「ソロ活動」だ。

この写真は、ウィキペディアで「孤独」を検索すると表示されるものです。(引用元は、下にある注釈ご参照) 孤独と聞くと、なんだか淋しい感じがしますね。 英語で言うと「loneliness」(ロンリネス)でしょうか。 しかし、孤独という英単語には、lonlinessのほかに「solitude」(ソリチュード)もあります。日本語では、どちらも「孤独」と訳されるのですが、英語だとニュアンスが違うのです。 学生時代から愛用している「Longman 現代英英辞書」から、それぞれの意味を引用してみます。 Lonelines: unhappy because you are alone or do not have anyone to talk to (一人、もしくは話し相手がだれもいないため、不幸せな状態) Solitude: when you are alone, especially when this is what you enjoy (一人の時。特に、その状態を楽しめている時のこと)   英語の定義からして、明らかにトーンが違いますね。 lonelinessは不幸せなのに、solitudeは一人であることを楽しんでいることが明記されています。しかも、孤独が不幸せな理由として「話し相手がいない」、要するに友達や家族がいない、ということをはっきり言及するあたり、さすがはLongman。わかりやすい。 日本語でも、「孤独」と聞くとネガティブなイメージがありますが、例えば「おひとり様」というと、ネガティブさは薄まるような印象を受けます。前者がloneliness、後者がsolitudeに近いかもしれません。また、solitudeは「ソロ活動」「ソロアーティスト」など、一人で活動するときに使われる「Solo」と語源は同じため、より前向きなイメージが持てます。 最近、Youtubeではお一人様や「〇〇ぼっち」のように、一人暮らしや一人飯のような、solitude寄りの動画の人気が高まっていると耳にしました。 そういう傾向を特集したテレビ番組で、専門家が「日本人には同調意識が強く、ムラ社会の名残で、集団から逸脱すると仲間はずれにされ、孤立しやすい」、「他人に合わせたり、集団行動が苦手な人が、自分は大丈夫との自己肯定感を高めたいという意識」が、お一人様動画の人気に拍車をかけているのだそう

天地ではなく「地天」(易経からコロナを考えてみる)

ニューノーマルとよばれる、コロナ後の新しい生活様式。言い換えると、リモートワークやテイクアウトなどといった、人々の直接的なつながりを抑えるような動きと言えそうです。 コロナ禍はまだ収まっていませんが、仕事やプライベートで直接的な交流が当然とされてきた世の中から、少しずつ変わり始めています。 この「当たり前」の基準が変わっていくことについて、中国より古くから伝わる「易経」を参照してみると、 古代の人はしっかり見抜いていた のでは、と思われる節があることに気づかされます。   易経は、東洋占術の一種です。 万物を「天、沢、火、雷(震)、風(巽)、水(坎)、山(昆)、地(坤)」という8つの要素で表し(八卦)、さらにこれらを上卦/下卦に分け、計8×8=64通りの組み合わせからランダムに選び、その結果を占うことが主な内容です。自然と人間の動きは同一、という考えに基づいています。 八卦の最初と最後は、「天」と「地」。 文字通り、天は空や太陽、地は地面や土を指しており、上卦/下卦の組み合わせでは、「天地」と「地天」の2通りがあります。 この2つ、似ているようで、意味が大きく違うのです。 天=空は上、地は足元という意味で、「天地」は普段我々が目にする光景です。ところが、易経では 「天地」は「否」 、つまり「良くない」と述べています。 反対に、 「地天」、上下がひっくり返った状態を「泰」 、安泰としているのです。   中国では、氣功や風水、方位学の奇門遁甲といった例にみられるように、目に見えない「氣」の流れというものを重視します。易経も同じで、八卦が表す万物には固有の「氣」があり、自然の原理に基づいて、これらが絶えず流動していると考えられています。 この考えによると、天は上へと昇り、地は底へ下るという、正反対の氣の流れがあるとされています。すると、「天地」では氣が交わらず、逆に「地天」だと氣が交わることがわかります。 天:氣の流れ ↑ 地:氣の流れ ↓ →氣は交わらず。「天地否」 地:氣の流れ ↓ 天:氣の流れ ↑ →氣が交わる。「地天泰」 以上から、 「天地」では富める者はさらに富み、卑しき者はさらに身を落とすという二極化を示し、争いが絶えない と考えられるため、「否」とされています。一方、 「地天」は正反対の2つが融合・調和する関係性 だから、「泰」となるわけです。   「天地」

厄年

そんな年なのね。。。 1981年生まれの男たるワタクシ、いわゆる「前厄」の年回りとなりました。今年から3年間、厄年祭りです。 気の持ちようだろう、と思っていたのですが、新年から人生の諸先輩方より、厄除けの御祈願はしといたほうがいいと相次いでご教示いただきました。特に万感の思いで語る方がおられ(過去に何があったのかしら???)、多少ビビッてしまいました。 本日、氏神様である高槻の天神様で、厄除け御祈願してまいりました。なんと、神職がとてもやさしい人で、ひとり来た前厄男に懇切丁寧に御祈願の所作を教えてくださいました。 。。。しかし、3連休の終わりとはいえ、人が多いなぁ、と思ったら、今日は成人の日ですね。コロナで身動き取れない中、振袖姿の女性やスーツ着なれていなさそうな若人たちとその親御さんが相次いで参拝していました。 まじめな新成人、飲み会はせずにマスクして、吉野家で楽しくご飯食べているよ。。ほんと、時節柄我慢の時だけど、20年後くらいに「俺らの成人式、コロナでダメだった★」という笑い話になりますよ。 男の前厄=成人式を2度済ませました。。。 ああ、彼らはわたくしが成人式を迎えた時くらいに生まれた人たちなのね。。。。 時の流れに身をまかせ テレサテンの名曲が、頭の中をヘビーローテーション中。 厄年の考え方については、改めて記事にします。 ただいま、文献調査中。

英語の勉強法

コロナ禍の中、受験シーズンが始まりました。受験生の皆さん、受験も感染防止も対策練らなくては行けなくて、本当に大変だと思います。でも、苦労した分だけ、良いことが起きますから、くじけずに進んでいきましょう。 さて、TOEIC 975点を取ったことのあるワタクシがおすすめする英語勉強法は、きわめてシンプルです。それは、良質な英文をひたすら読み、音読すること。それだけですね。 英語が苦手な人に共通していることが、英文を読む習慣がないということ。 当然といえば当然ですが、逆に言えば英文を読む習慣があれば、苦手は克服できるということです。 最近は、リスニングに重きを置く風潮のようですが、ただ英文を聞いても理解は深まらないので、かえって逆効果です。 英文のリズムというか、流れをつかむうえで、書かれてある英文を読んでいくことは重要です。ここで英語脳を鍛えておかないと、リスニングにしろライティングにしろ、どんなに勉強しても伸びません。 しかし、ここに落とし穴が・・・。こう聞くと、いきなりレベルの高い英文を読もうとして挫折する方が多いのも事実。身の丈に合ったレベルの英文を選ぶことから、英語の勉強は始まります。 身の丈に合ったレベルというのは、以下2点で測ることができます。 ①語彙レベル:パッと読んでみて、概ね意味がつかめそうなレベルが良い。 ②内容:自分の興味がそそるトピックかどうか。 これに、CDやダウンロードなどで音声を聞ける教材であるとOKですね。 スポーツが好きなら、スポーツ関連の英文記事であるほうが、無味乾燥なTOEICテキストを使用するより、はるかに理解度が増します。映画好きなら映画、あるいはお気に入りのスターや歌手のSNSをフォローすることでも、良いと思います。 たとえば、フィギュアスケート好きの女性が、アメリカのネイサン・チェン選手のインタビュー、そしてアメリカのフィギュアスケート中継を見て勉強する、という感覚ですね。 実際に知り合いにいるのですが、ジャンプの回転数に応じて、「1:シングル、2:ダブル、3:トリプル、4:クワッド」と、ワン、ツー、スリー、フォーだけではない数字の表現を勉強していっています。もし5回転の時代になったら、どんな英語の表現になるのかなぁ?など、自分の興味を広げて、自分で単語や表現を調べていくという、良い習慣が身についているようです。 英語が好き