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歴史は繰り返す、されども。

さて、唐突ですが、ドイツの近現代史をかいつまんでみます。
第一次世界大戦の敗戦を受け、当時のドイツは巨額の賠償金を背負うこととなりました。そのために国内経済は低迷し、人々は困窮しましたが、当時の政府は無能に近く、そうした市井の声が政治に反映されませんでした。
そんな時、演説上手で人の心をつかむことに長けていたヒトラーが台頭しました。危機や困窮を巧みに利用し、人々の心をつかんでいく。この人ならばドイツを変えてくれる!と人々は熱狂し、彼は圧倒的な支持を得ていきます。これが、後のナチズムの始まりでした。
その後の歴史は、ご承知の通り。
第二次世界大戦、ホロコーストを経てナチズムは徹底的に破壊・否定され、戦後ドイツにおける「反面教師」として、この時代にも受け継がれています。
ナチズムを肯定しようものなら、刑事罰が容赦なく課せられる現代のドイツにおいて今、人々はCOVID-19の感染リスクに恐怖し、ロックダウンによる生活困窮への懸念を抱いています。
そんな、まるでナチズム誕生前夜の雰囲気に似た現状を目の当たりにし、危険な思想の台頭を許してはならない。
政権による手厚い補償、国民へのメルケル首相からのメッセージ。すべてが迅速に実施されたのは、そうした過去の過ちによる深い反省が大きいのかもしれません。
一方、日本では。
危機対応に脆弱なことが白日の下にさらされてしまった政権与党の迷走ぷり、また今は政治的対立を超え、国を挙げて困難に立ち向かおう、という気概を見せず、迷走する与党を批判するだけの野党のだらしなさ。
そして、東京都知事や大阪府知事のように、一見行動力があり、市井の人々に寄り添っているように見える政治家の対応。
彼らの行動力が、誠のものであればよいのですが、私にはナチズムの台頭のような、その後の日本が恐ろしい方向へ行かないかどうか、というところが懸念されます。危機を巧みに利用する、彼らの姿勢が。。。
次の地方選挙、国政選挙では、私が持つ一票がどれほど重いものなのかを思い知らされます。
歴史は、繰り返すかもしれません。
ただ、同じドイツの鉄血宰相・かのビスマルクは、以下のように述べています。
「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ。」
本来は、自分で痛い目に合う前に、他人の失敗を見て予防しておけ、という意味なのですが、今はその意味を脇に置き、その言葉通りに受け止めたい。
賢いものは、歴史から学ぶ。
私も含めて、賢くならなければならない時代がやってきました。
人や環境や物のせいにするのではなく、自らが賢く決めていく。
政権が無能だからと批判するだけでなく、それに乗じて台頭しようとするものを制するだけでもなく。
私が、決めていく。
世の中にあふれる玉石混淆のニュースやデマに惑わされず、ぶれずに生きていこうと思います。
この危機を乗り越えた後の日本が、世界が、より良いものになっていることを強く願って。

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